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スマートハウスの潮流
2011年10月21日更新
最近「スマートハウス」という住宅が登場したことをご存知でしょうか。これは家庭内で使用する機器類の使用エネルギーをIT技術で最小限に抑える技術を導入した家を指します。現在は開発途上の段階ですが、近い将来において電力消費量を自動的に削減する住宅が普及することになります。新築住宅、それも特に長期優良住宅に対する税制上の優遇は大きく、大手ハウスメーカーでは、こうした利点を消費者に強く訴えて、売上を伸ばしているところもあります。しかしながら、誰もが新築戸建住宅を購入できるだけの経済的な余裕を持っている訳ではありません。子育て世代は子どもの教育費をはじめ、食費や衣類などの出費を考えなければなりませんし、高齢者は年金の受給額や家族構成で生活環境が変わってきます。
「スマートハウス」で家中一元管理
「スマートハウス」を一言で説明するならば、「IT技術を使って家電類を制御する住宅」ということになります。経済産業省が平成21年から実証実験に着手し、家電メーカーや電力・ガス会社などが中心となって開発が進められています。例えば、携帯電話を使って外出先から遠隔操作で風呂を沸かす、エアコンを作動させることもできれば、戸締りの締め忘れや照明器具の消し忘れを教えてくれたり、一日の消費電力を計算して金額を通信したりする機能を持っています。また、将来的には住宅内の適正な温度管理などの居住者の健康管理から、蓄電池の活用で電気自動車の充電を家庭内で行うことも可能になります。
こうした能力を司るのは、住宅内に装備されたHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)という管理機能
※
。このHEMSが住宅内の家電類や給湯設備などの情報をネットワーク化し、エネルギーの使用を管理して消費量の適正化を図ります。スマートハウスの場合、HEMSとエアコン、照明、テレビなどの家電を通信で結び、一元管理すると共に、太陽光発電やエコキュートなどの給湯システムを組み合わせ、より一層の省エネルギー化を実現させることになるでしょう。
※HEMS(=Home EnergyManegement System)…このシステムはメインとなる主装置に、照明機器や空調機器、さらには太陽光発電や燃料電池といった家庭内の各機器をネットワークでつなぎ、発電量や電力使用量を「見える化」し、家電のオン・オフを一括制御する機能などを持ったものです。
エネルギー抑制の軸として注目
スマートハウスの構想が生まれた背景には、住宅から排出される二酸化炭素の量を削減する狙いがあります。2050年までに地球上の二酸化炭素排出量を半減させるという国際的な課題に直面する中、日本の住宅におけるエネルギー消費量は右肩上がりを続けている状態です。家電製品の省エネ技術において世界をリードしている日本ですが、機器単体での性能向上には限界があり、エネルギー消費をトータルで管理しなければ住宅における省エネ化は最終的にできないという結論からスマートハウスの研究が始まりました。
現在、異なる家電や機器を結ぶ共通規格を構築させるという問題が解決されていませんが、あと数年で本格的なスマートハウスは実現可能という意見も関係者から出ています。ある経済調査会社では、スマートハウス関連の市場規模は現状2兆円程度ですが、10年後には18兆円規模まで伸びると予測しています。
本格的なスマートハウスの実現には設備機器も含めて大規模な予算が必要ですが、スマートハウスの目的は設備の充実ではなくエネルギー消費の抑制にあります。高性能な断熱材に入れ替える、サッシに内窓を取り付けるという身近なリフォーム工事も目的に合致する訳であり、こうした小規模な改修もスマートハウスに向かう第一歩と言えます。
「見える化」で省エネ効果アップ
「スマートハウス」の核となるのは「HEMS」と呼ばれるシステムです。以前より家電メーカーから対応機器は販売されていましたが、今年に入り住宅メーカーも次々に参入し、2011年は「スマートハウス元年」と目されています。細かい仕様等は各メーカーによって異なりますが、例えば、基本の家庭内電力使用量やCO
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排出量の「見える化」に加え、外出先から携帯電話でエアコンや照明の操作、玄関の電気錠の施錠確認、TVドアホンに映った来訪者の画像確認といったことができるようになっています。機器はLANやブルートゥースでつながり、携帯電話の他テレビでも操作が行えるなど、敷居の低さが魅力です。電力使用量の「見える化」は一見ささいな機能にも思えますが、意外と「見える」ことによって使う側の意識は変化するものです。他にもキャラクターが省エネアドバイスや省エネ目標の達成状況をアニメーションで分かりやすく知らせてくれるなど工夫が凝らされています。また、家電のオン・オフを一括制御することで電気の消し忘れなどを防げることも、電力のムダをなくし省エネ効果を高めることにつながります。
「ハウス」から「シティ」へ、広がるスマート化
今後爆発的に広がっていくと予想される「スマートハウス」ですが、さらにこれを地域に拡げた「スマートシティ」構想もあります。例えば横浜市が民間企業と共同で進める「横浜スマートシティプロジェクト」では、地域全体で太陽光発電量を監視して余剰電力を足りない場所へ送るなど、より進んだ活用が想定されています。「スマート化」はシステムの性格上、ネットワークでつながった機器が多ければ多いほど効果も上昇します。今後、電気自動車の充電システムなどもそのシステムに組み込まれていく予定です。
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