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2009年9月1日更新

玄関革命

 先日、郊外のある地主さんの家を訪れた。広い庭があり、玄関までのアプローチが長く、玄関を開けると6畳ほどの大きな土間とホール。天井は高く、中庭の明かりが、美しい装飾ガラス越しにやわらかく降り注ぐ。古き良き昭和の香りのする、そんなお宅だった。
 玄関の変遷をたどっていくと、用途、大きさ、素材など、いろいろな時代を表す「顔」が凝縮されて垣間見られるだろう。近年の玄関はどうだろうか。都心の小さな空間の中で、リビングやダイニングなどの居室の広さ確保のために、狭さを余儀なくされ、昔の堂々たる「家の顔」の役割が薄らいできた。都心において「空間」ほど貴重なものはない。その貴重な空間をどのように使うかは、そこに住まう方のプライオリティに属していく。
 そんな中、あえて玄関スペースを広くとり、そこを多目的に使うという発想は、家全体のイメージや価値、そして何より豊かさを与えてくれる。もう一つのファミリースペースとして考えると、その空間の有効利用が広がる。例えば自転車などをいじったりする趣味の部屋、工房、読書やペットスペース、子供の遊び場、展示スペース、井戸端会議など、半戸外スペースとして、人と人とのコミュニケーションの場としても活用できれば尚すばらしい。
 マンションでも戸建でも、閉鎖された玄関というイメージを払拭して、中へ、そして外へと開かれるマルチな場所としてこれから注目していきたい。
(小野 あゆみ インテリアコーディネーター)


玄関を考える

 マンションなどで納戸になってしまっている北側の部屋を見かけることがよくあります。その空間を玄関とつなげることにより、広々とした空間として有効活用してみることを考えてみました。玄関部分は、機能面、意匠面の両方の観点から考える必要があります。玄関は北側にあることが多く、結露や寒さの対策をしっかりしていくことが大事になるでしょう。また、意匠的にも玄関扉を開けた時の印象が大切になりますので、色、素材感、装飾にも気を配り、コーディネーションをすると、家の雰囲気や価値を高めてくれることにつながります。コミュニケーションをとる、半戸外空間という意識づけをすることにより、ライフスタイルにより良い変化をもたせることも可能になるでしょう。

平面図

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