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200年住宅(超長寿命住宅)と中古ストックの有効活用

住宅は量から質の時代へ

 国土交通省では2008年度の予算概算要求で、数世代にわたって住み続けることが出来る住宅の超長寿命化(200年住宅)の推進に、108億円を計上しました。06年に「住生活基本法」が制定され、日本の住宅政策は住宅の質を向上しストックを重視していく方向に向かっており、これらを受けて住宅の超長寿命化を推進していこうというものです。

 国土交通省によると、国内の住宅は新築から解体までの平均期間が30年から35年で、アメリカの55年やイギリスの77年などを大きく下回っています。早くから環境問題に着目している欧米では、エコロジーの視点からも手入れをしながら長く大事に住むことは当たり前で、質の高い中古住宅には、新築以上の資産価値を有するものもあります。また日本の中古住宅の流通規模の比率を見ても、アメリカが76%、イギリスが89%に比べ、12%程度と極めて低いのが現状です。(※図1)
 これまで日本では、住宅は売買される際に宅地の付属物として扱われ、新築でも住んだ瞬間から中古として資産価値が低くなるなどのほか、生活者も住宅の手入れを軽視し、住宅会社も丈夫さより外装や設備など生活者の目につくところを重視するとういう傾向にありましたが、生活者の意識も変化し、耐震、自然素材、省エネ配慮など質を重視していく方向にシフトしつつあります。

 一方で、既に住宅のストック数は、世帯数を660万戸ほども上回っており(※図2)、資源の有効活用という観点からも、中古ストックへの対応は早急に取り組まねばならない課題でもあります。
 昨今の中古再生ビジネスでは、中古マンションの再生販売ビジネスが進んでいますが、戸建業界でも、住宅メーカーが自社の中古戸建物件を買い取り、リフォームを施し、建物評価をあげて自社ブランドの新たな切り口として市場を獲得しようとする動きもでてきました。








200年住宅の推進

 それでは、国の提唱する200年住宅の取り組みとはどのようなものでしょう。
 まず、一定の耐久性、耐震性の高い構造躯体(スケルトン)で、内装や設備(インフィル)の可変性を確保した住宅を認定し(★1)、住宅の性能や品質に応じて適正な資産価値が評価できるよう、新築時から点検・改修の履歴を蓄積し、適切な維持管理と、流通の促進を促す「住宅履歴書」を作成していくよう進めます。これにより住宅のトレーサビリティ(★2)が高まり、瑕疵や事故対策にも迅速な対応が可能になります。
 また条件を満たした履歴書を持つ建物には、税の軽減などの優遇措置の付与も検討しており、これらを盛り込んだ「住宅の長期利用の促進に関する法律案(仮称)」を今通常国会にて提出、超長期にわたって利用可能な住宅形成への作業が本格的に始動するというものです。



これからのリフォーム

 質の高い中古住宅が適正に評価され、さらに安心して売買できる市場が整備されれば、住宅ストックが有効活用され、建て替えによる産業廃棄物の発生といった環境への影響を抑制することも可能になります。超長寿命化住宅の取り組みは国を挙げてのものになるので、補助金や税の優遇など、生活者の負担の軽減にもつながります。
 これら一連の影響を受けて、今後更にリフォームの需要は高まっていき、また良質なリフォームの提供がますます望まれるといえるでしょう。

★1 認定要件として検討しているもの

●構造躯体の耐久性
●内装・設備の維持管理の容易性
●変化に対応できる良質な居住空間
●省エネルギー性能

★2 トレーサビリティとは

「trace(追跡)」「ability(能力)」をつなぎ合わせた用語で、「追跡できる可能性」となります。食品には既に義務付けられているものもありますが、仕入先、販売先、流通、作り手の情報が各段階で記録・管理され、必要に応じてほしい情報を入手できる仕組みのことです。