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震災後の設備機器需要
2011年9月29日更新
東日本大震災の発生から2カ月以上が経過しました。未曾有の震災は死者・行方不明者約2万5000人という戦後最大の自然災害となっています。震災による破壊規模の大きさに消費者の住宅取得意欲も急速に冷え込んでいますが、一方で震災復興への努力も進んでいます。震災後の住宅に対するニーズ、特に住宅設備機器へのニーズはどう変化するのか、その方向性を検証しました。
複合的被害が発生した東日本大震災
今回の震災はこれまでに経験したことのない複合的ショックを伴っていることが特徴と言えます。マグニチュード9.0の巨大地震による広範囲な地震被害。警察庁の調査では、建物被害が北海道から四国地区にまで及んでいます。これに10メートル規模の津波による東北沿岸部地方の壊滅的被害の発生。加えて福島第一原子力発電所の事故の長期化など、地震を起因として複数の被害がここまで大規模に同時進行したことはありませんでした。
関東地方に限って言えば、震災後で最も困ったのは停電による生活の混乱でした。震災直後、関東の電力供給量が通常の7割以下まで低下し、都心では急遽一部地域での計画停電を実施しました。更に電車の運行本数を大幅削減し、日々の通勤にも支障をきたしたことは記憶に新しいでしょう。電気というライフラインの凍結は都心で生活する人々にとって大きな不安と困難を与えることを実証する結果となりました。
住宅設備は節電とエネルギー選別がポイント
震災は住宅設備機器のニーズにも変化をもたらしています。これまで電力会社が旗を振ってきた「オール電化住宅」は方向性の転換を迫られました。停電によって全ての家電の停止、調理の不能、給湯も制限されるなど、負の側面が指摘されています。加えて、使い方(最大使用量)によっては家庭での電力消費量を増加させる原因となり、不足する電力供給の懸念材料の一つとなっています。
しかし、太陽光発電システムは災害時での強さを発揮したと言えるでしょう。太陽光発電システムを導入している住宅で「太陽光の電気が停電時に使えない」という苦情が電力会社に寄せられましたが、これは運転システムを「自立運転」に切り替えれば自宅で集積した電力が使えることになります。仮に停電しても、大幅な電力消費でなければ、家電製品の運転を維持できる可能性が高いのであり、太陽光発電システムは停電の危機管理の側面からも今後において需要が高まると予測できます。
また、国の補助金も総額が削減される方向ですが、安価な製品も市場に出てきたため、消費者の負担額は相殺されるでしょう。
もう一つ、ライフラインの一元化に対する不安から、ガスによる高効率給湯システムが注目されています。高効率給湯システムとは熱効率を改善した給湯器のことです。従来の給湯器では給湯熱効率が約80%で限界だったのですが、排気中の水蒸気に含まれる潜熱を回収する二次熱交換システムの導入により約95%までに向上。家庭での省エネルギー化とランニングコスト削減を実現しました。
震災への恐怖は社会から払拭されておらず、これまでの生活への疑問も少なからず生じています。しかし、この問題点を捉え、災害に強い住宅設備の提案もこれから必要になります。
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